学校法人 稲置学園 規程集(短期大学)

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学校法人稲置学園公的研究費の取扱い及び研究活動の不正防止に関する規程
第1章 総 則
(目 的)
第1条 この規程は、学校法人稲置学園(以下「法人」という。)における公的研究費の取扱い、並びに研究活動の不正行為防止及び不正行為への対応等に関し不正使用を防止するための適正な管理及び運営を行うため、必要な事項を定めることを目的とする。
(定 義) 
第2条 この規程において公的研究費とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1)金沢星稜大学総合研究所(以下「総合研究所」という。)が配分する研究活動補助費
(2)文部科学省あるいは他の府省が所管する競争的資金制度に基づく公的研究費補助金等
(3)研究機関あるいは企業からの受託研究費及び共同研究費等
2 この規程において研究者とは、法人における教職員(第1項第3号の公的研究費により受け入れた研究員を含む。)が、公的研究費を得て研究活動を行う者をいう。
3 この規程において不正行為(以下「特定不正行為」という。)とは、研究活動又はその成果の発表の過程において、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる次の各号に掲げる行為をいう。
(1)捏  造 
  存在しないデータ、研究成果等を作成すること
(2)改 ざ ん 
  データ、研究資料、機器及び研究過程を不正に変更する操作を行い、データ及び研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること
(3)盗  用 
  他の研究者のアイデア、分析及び解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研 究者の了解若しくは適切な表示なく流用すること
4 この規程において、不正使用とは、法令及び法人の規程並びに研究費を分配した機関の規程に反し、公的研究費を使用することをいう。
5 特定不正行為及び不正使用の証拠隠滅及び立証妨害は、第3項の特定不正行為に含むものとする。
(特定不正行為及び不正使用防止体制) 
第3条 法人は、研究者による特定不正行為及び不正使用を防止するため、最高責任者、統括責任者、事務責任者及び研究倫理教育責任者を置く。
2 最高責任者は、法人理事長(以下「理事長」という。)とし、特定不正行為及び不正使用の防止について最終責任を有する。
3 統括責任者は、金沢星稜大学長とし、最高責任者を補佐するとともに法人全体の特定不正行為及び不正使用の防止に関する実質的な責任と権限を有する。
4 事務責任者は、統括責任者が指名する者とし、研究活動及び公的研究費の事務を担当する各部局を統括し、事務手続上の権限を有するものとする。
5 研究倫理教育責任者は、金沢星稜大学副学長(研究担当)とし、研究活動の特定不正行為並びに公的研究費の不正使用を未然に防止するため、法人全体の研究者に対しコンプライアンス教育を実施する責任と権限を有する。
(不正防止委員会) 
第4条 法人は、特定不正行為及び不正使用を防止するため、不正防止委員会を設置する。 
2 不正防止委員会は、次の各号に掲げる委員をもって構成し、統括責任者が委員長となる。
(1)統括責任者
(2)事務責任者 
(3)研究倫理教育責任者
(4)経営管理部長
(5)法人が設置する学校の長(金沢星稜大学長を除く。)
(6)委員長が必要と認めた者
3 委員長は、不正防止委員会の業務を統括する。 
4 第2項第6号の委員長が必要と認めた者には、法人に属さず、かつ利害関係のない第三者を委員として含めなければならない。
5 不正防止委員会は、次の各号に掲げる事項を行う。 
(1)特定不正行為及び不正使用が発生する要因の改善策とその行動規範の策定に関すること 
(2)特定不正行為及び不正使用防止計画の策定に関すること 
(3)研究倫理についてのコンプライアンス教育の企画・実施に関すること 
(4)研究者の特定不正行為及び不正使用の調査に関すること 
(5)その他研究倫理に関すること 
6 不正防止委員会の事務は、総合研究所が行う。
(研究データ等の保存・開示) 
第5条 研究者は、研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに、第三者による検証可能性を担保するため、研究データ等を一定期間適切に保存・管理し、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、これを開示しなければならない。 
2 論文や報告書等の発表後、研究成果発表のもととなった研究データ等の保存期間は、次の各号に掲げるとおりとする。 
(1)生データ、実験・観察ノート、アンケート結果、インタビュー記録、書物・論文等、研究のために収集した全ての情報  10年 
(2)実験ために用いた全ての試料・試薬・標本・装置  5年 
  ただし、保存が本質的に困難なものや、保存に多大なコストがかかるものについてはこの限りではない。
(特定不正行為及び不正使用の受付窓口) 
第6条 特定不正行為及び不正使用に関する学内外からの告発(以下「告発」という。)又は告発の意思を明示しない相談(以下「相談」という。)を受け付ける窓口(以下「受付窓口」という。)は、学校法人稲置学園公益通報等に関する規程に定める窓口とする。
2 受付窓口は、告発又は相談があったときは、その内容を直ちに事務責任者に報告するものとする。 
(告発の取扱い) 
第7条 告発は、顕名によるものとし、書面、電話、ファクシミリ、電子メール、面談等により受付窓口に直接行うものとする。 
2 告発は、特定不正行為及び不正使用を行ったとする研究者・グループ、特定不正行為及び不正使用の態様その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする科学的な合理性のある理由が示されているものに限り受け付けるものとする。 
3 第1項の規定にかかわらず、匿名による告発があった場合において、告発の内容が相当程度信頼に足るものと統括責任者が認めたときは、顕名の告発に準じて取り扱うことができるものとする。 
4 事務責任者は、受付窓口が告発を受け付けたか否かを告発者が知り得ない方法による告発がなされた場合は、告発を受け付けたことを告発者に通知するものとする。ただし、匿名による告発については、この限りではない。 
5 事務責任者は、告発のあった事案が、法人以外の他の機関においても調査を行うことが想定される場合は、当該機関にも告発内容を通知するものとする。 
(相談への対応) 
第8条 告発の意思を明示しない受付窓口への相談については、事務責任者がその内容に応じ、告発に準じてその内容を確認・精査し、相当の理由があると認めたときは、相談者に対して告発の意思の有無を確認するものとする。 
2 前項において、相談者から告発の意思表示がなされない場合であっても、統括責任者が特に必要と認めたときは、当該事案について調査を行うことがある。 
(警 告) 
第9条 事務責任者は、特定不正行為及び不正使用が行われようとしている、若しくは特定不正行為及び不正使用を求められているとの告発又は相談を受けた場合は、その内容を確認・精査し、相当の理由があると認めたときは、統括責任者に報告するものとする。 
2 統括責任者は、前項の報告を受けた場合は、その内容を確認し、相当の理由があると認めたときは、被告発者に警告を行うものとする。 
(秘密保持) 
第10条 特定不正行為及び不正使用に関する告発又は相談について、業務上その内容を知り得た者は、その事案の調査結果が公表されるまで関係者以外の者に漏らしてはならない。この場合において、調査に協力した役員、教職員、学生も同様とする。役員、教職員にあっては、その職を離れた後も同様とする。 
(例外的公表) 
第11条 法人は、調査事案が何らかの事由により漏えいした場合(告発者又は被告発者の責により漏えいした場合を除く。)は、告発者及び被告発者の了解を得て、調査中の事案について公表することがある。 
(告発者の保護) 
第12条 法人は、単に告発を行ったことを理由にして告発者に対し、解雇、降格、減給その他不利益な取扱いを行わない。 
(悪意に基づく告発の禁止)
第13条 何人も、被告発者を陥れること、被告発者が行う研究を妨害すること等、専ら被告発者に何らかの損害を与えること又は被告発者が所属する機関・組織等に不利益を与えることを目的とした意思(以下「悪意」という。)に基づく告発を行ってはならない。 
(被告発者の保護) 
第14条 法人は、相当な理由がないにもかかわらず単に告発がなされたことをもって、被告発者の研究活動の一部又はすべてについて制限を加えること及び被告発者に対して解雇、降格、減給その他不利益な取扱いを行わない。 
(調査関係者の保護) 
第15条 統括責任者は、告発者、被告発者、調査協力者若しくは関係者に連絡し、又は通知するときは、告発者、被告発者、調査協力者及び関係者の人権、名誉、プライバシー等を侵害することのないよう配慮するものとする。 
(不正疑惑報道等への対応) 
第16条 法人は、本学研究者の特定不正行為の疑いが学会等の科学コミュニティ又は報道により指摘された場合は、法人に告発があった場合に準じた取扱いをすることがある。 
2 法人は、本学研究者の特定不正行為の疑いがインターネット上に掲載され、かつ、特定不正行為を行ったとする研究者・グループ、特定不正行為の態様等、事案の内容が掲示され、不正とする科学的な合理性のある理由が示されていることを確認した場合は、法人に告発があった場合に準じた取扱いをすることがある。 
(予備調査) 
第17条 事務責任者は、第7条又は第8条により告発等を受け付けたときは、不正防止委員会委員長にその旨を報告しなければならない。
2 不正防止委員会委員長は、前項による内容の真実性等を確認するため、金沢星稜大学(以下「大学」という。)及び金沢星稜大学女子短期大学部(以下「短期大学部」という。)にかかる告発等にあっては金沢星稜大学及び金沢星稜大学女子短期大学部研究倫理委員会(以下「研究倫理委員会」という。)、法人が設置する大学及び短期大学部以外の学校及び法人各部にかかる告発等にあっては予備調査委員会を設置し、予備調査を行わせる。
3 前項の予備調査委員会の委員は、不正防止委員長が不正防止委員会の議を経て指名する。 
4 研究倫理委員会及び予備調査委員会は、必要に応じて第2項の予備調査の対象者に対して、特定不正行為及び不正使用の事実、又は特定不正行為及び不正使用が行われようとしている根拠等に関し必要な資料を求め、又は関係者のヒアリングを行うことができる。
5 研究倫理委員会及び予備調査委員会は、告発等の際に示された科学的理由の論理性及び告発等の内容の本調査における調査可能性、その他必要と認める事項について、予備調査を行う。 
6 研究倫理委員会及び予備調査委員会は、特に必要があると認めたときは、証拠となり得る関係書類、実験ノート、実験資料等を保全する措置をとることができる。 
7 研究倫理委員会及び予備調査委員会は、前項の結果を遅滞なく不正防止委員会委員長に報告しなければならない。
(本調査の決定等) 
第18条 不正防止委員会委員長は、予備調査結果を踏まえ、告発等を受け付けた日(報道等の場合は報道等された日)から30日以内に、不正防止委員会で協議の上、特定不正行為又は不正使用の事実の有無について本調査を実施するか否かを決定する。
2 不正防止委員会委員長は、本調査の実施を決定したときは調査対象とする研究者及び第7条又は第8条の告発等を行った者(匿名により行われた場合は除く。)に対し、本調査を実施することを通知し、調査への協力を求めるものとする。 
3 事務責任者は、前項の本調査を実施することを決定したときは、第2条第1項の公的研究費の配分機関及び文部科学省に対し、本調査を行う旨を報告する。
(不正調査委員会) 
第19条 不正防止委員会委員長は、本調査の実施を決定したときは、不正調査委員会を設置する。 
2 不正調査委員会は、次の各号に掲げる委員をもって構成し、第1号の金沢星稜大学副学長が委員長となる。 
(1)不正防止委員会委員長が指名する金沢星稜大学副学長 1名 
(2)不正防止委員会委員長が指名する法人の教職員 若干名 
(3)外部有識者 2名以上 
3 前項第3号の委員の数は、委員の総数の二分の一以上とする。 
4 委員は、告発者及び被告発者と直接の利害関係を有しない者とする。 
5 不正調査委員会は、当該事案の調査が終了したときは、直ちに調査結果を不正防止委員会委員長に報告する。 
(本調査の通知) 
第20条 不正防止委員会委員長は、不正調査委員会を設置したときは、不正調査委員会委員の氏名及び所属を告発者及び被告発者に通知するものとする。 
2 告発者及び被告発者は、前項の通知を受け取った日から7日以内に、理由を付して不正調査委員会委員の選任について不正防止委員会委員長に異議を申し立てることができる。 
3 不正防止委員会委員長は、前項の申立てがあった場合は、その内容を審査し、妥当と判断したときは、当該委員の交代又は解任を行うものとする。 
4 不正防止委員会委員長は、前項に規定する審査結果及びその対応を告発者及び被告発者に通知するものとする。 
(本調査の実施) 
第21条 不正調査委員会は、第18条第1項に規定する本調査の実施の決定を行った日から起算して30日以内に本調査を開始するものとする。
2 不正調査委員会は、告発において指摘された事案にかかる研究活動に関する論文、実験・観察ノート、生データ等の各種資料の精査及び関係者からのヒアリング等により調査する。
3 不正調査委員会は、調査にあたり書面その他の確実な証拠により調査確認するものとし、憶測や推定により判断してはならない。 
4 不正調査委員会は、被告発者に対し、口頭又は書面による弁明の機会を与えなければならない。
5 告発者、被告発者及びその他当該告発に係る事案に関係する者は、調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し、真実を忠実に述べるなど、不正調査委員会の調査に誠実に協力しなければならない。 
6 不正調査委員会は、調査にあたり被告発者のほか必要に応じ、共著者等の共同研究者並びに取引業者など外部の関係者に対し調査を行うものとする。 
7 不正調査委員会が法人以外の機関において調査を実施することが必要と判断したときは、当該機関に調査の協力を要請するとともに、必要に応じて合同調査を行うものとする。 
8 調査に支障がある等、正当な事由がある場合を除き、当該事案に係る資料の提出又は閲覧、現地調査について、配分機関からの要請に協力するものとする。
9 不正調査委員会は、本調査の結果を速やかに取りまとめ、不正防止委員会委員長に報告する。 
10 不正防止委員会委員長は、本調査の終了前であっても、当該事案に係る研究活動の配分機関等の求めに応じ、本調査の中間報告を当該配分機関等に行うものとする。 
(証拠の保全) 
第22条 不正調査員会は、本調査に当たり、告発された事案にかかる研究活動に関して、証拠となる資料及びその他関係書類を保全する措置をとる。 
2 前項の資料等が法人以外の他の機関にあるときは、不正調査委員会は、当該機関に対して資料等の保全を要請するものとする。 
3 不正調査委員会は、前2項の措置に影響しない範囲内において、被告発者の研究活動を制限しない。ただし、統括責任者が特に必要があると認めたときは、当該事案に関する研究活動の停止を命ずることがある。 
(公的研究費の一時執行停止) 
第23条 不正防止委員会委員長は、本調査において当該事案の対象となっている公的研究費の執行を一時停止する必要があると認めたときは、被告発者等の本調査対象者に対し、当該公的研究費の使用停止を命ずるものとする。 
(認 定) 
第24条 不正調査委員会は、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、次の各号に掲げる事項を認定する。
(1)特定不正行為又は不正使用の有無 
(2)特定不正行為又は不正使用の内容 
(3)特定不正行為又は不正使用に関与した者並びにその関与の程度 
(4)不正使用した額 
2 前項の認定は、不正調査委員会が調査を開始した日から、概ね150日以内に行うものとする。 
3 不正調査委員会は、特定不正行為及び不正使用が行われていないと認定した場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づいたものであることが判明したときは、その旨を併せて認定するものとする。 
4 前項の認定を行うに当たっては、不正調査委員会は、告発者に弁明の機会を与えなければならない。 
5 不正調査委員会は、第1項及び第3項に定める認定が終了したときは、直ちに不正防止委員会委員長と理事長に、認定した調査結果を報告しなければならない。 
6 不正調査委員会は、本調査の過程であっても特定不正行為及び不正使用の事実が一部でも確認された場合には、速やかに認定し、不正防止委員会委員長と理事長に報告しなければならない。 
7 不正防止委員会委員長は、第2項に定める期間内までに本調査及び認定が完了しないときは、中間報告を配分機関及び文部科学省に提出するものとする。 
(結果の通知等) 
第25条 不正防止委員会委員長は、調査結果(認定を含む。以下同じ。)を速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外の者で、特定不正行為に関与したと認定したものを含む。以下同じ。)に通知する。この場合において、被告発者が法人以外の機関に所属している場合は、当該機関に当該調査結果を前項の通知と併せて通知するものとする。
2 不正防止委員会委員長は、前項に定めるもののほか、当該事案にかかる配分機関及び文部科学省に当該調査結果、特定不正行為及び不正使用の要因、特定不正行為及び不正使用に関与した者に係る他の公的研究費における管理・監督体制の状況及び再発防止計画等を含む最終報告書を提出するものとする。 
3 不正防止委員会委員長は、悪意に基づく告発と認定された場合で、告発者の所属する機関が法人以外の機関であるときは、当該所属機関にその旨を通知する。 
4 前条第6項により報告を受けた不正防止委員会委員長は、当該認定内容を配分機関及び文部科学省に報告する。 
(不服申し立て) 
第26条 前条第1項により通知を受けた告発者及び被告発者が、認定された結果に不服があるときは、前項の通知を受領した日以後14日以内に書面により不正防止委員会委員長宛不服申し立てを行うことができる。この場合において、不服の内容、新たな証拠書類等を明らかにしなければならない。
2 前項の不服申し立てを、同一の理由で繰り返すことはできない。 
(再調査) 
第27条 前条第1項に規定する不服申立ての審査は、不正調査委員会が行う。
2 不正調査委員会は、特定不正行為又は不正使用があったと認定した被告発者から不服申立てがあった場合は、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、当該事案の再調査の必要性を速やかに判断するものとする。
3 不正調査委員会は、前項に規定する判断の結果、再調査を行うことを決定したときは、被告発者に対し先の調査を覆すに足る資料の提出等の再調査の協力を求めるものとする。
4 不正調査委員会は、前項に規定する判断の結果、不服申立てを却下することを決定したときは、その旨を直ちに不正防止員会委員長に報告するものとする。 
5 不正防止委員会委員長は、第3項により再調査を行う場合はその旨を、告発者及び被告発者に通知する。また、前項により再調査を行わない場合は、その旨及びその理由を、不服申立てを行った者に通知する。 
6 不正調査委員会は、第1項の再調査を開始したときは、再調査を開始した日から概ね50日以内に審査結果を決定し、その結果を直ちに不正防止委員会委員長に報告するものとする。 
7 不正調査委員会は、悪意に基づく告発と認定した告発者から不服申立てがあった場合は、再調査を行うものとし、再調査を開始した日から概ね30日以内に調査し、その結果を直ちに不正防止委員会委員長に報告するものとする。 
8 法人は、不服の申立てが当該事案の引き伸ばし又は認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会等が判断するときは、以後の不服申立てを受け付けないものとする。 
9 不正防止委員会委員長は、第5項に規定する通知とともに、当該事案にかかる配分機関及び文部科学省に報告するものとする。また、第6項による調査結果を被告発者、被告発者が所属する法人以外の機関及び告発者に通知するとともに、当該事案にかかる配分機関及び文部科学省に報告するものとする。 
(措置等) 
第28条 不正調査委員会が第24条の規定により特定不正行為又は不正使用の認定(第27条の再調査に係る認定を含む。)を行った場合は、理事長は、次の各号に掲げる措置をとることができる。
(1)当該年度に公的研究費をもって行っている全ての研究活動の停止
(2)当該年度の全ての公的研究費の返還(ただし、複数年度にまたがる採択の場合は、当該特定不正行為又は不正使用が行われた年度以降のものを含む。) 
(3)公的研究費の停止1年間 
(4)特定不正行為又は不正使用と認定された研究活動に係る研究成果を掲載する論文掲載機関等への通知並びに必要な措置の要請
(5)学校法人稲置学園就業規則に基づく処分 
2 法人以外の機関等から支出される公的研究費に関し特定不正行為又は不正使用が認められたときは、当該公的研究費を配分する機関が定める罰則等について、前項の措置に加えて適用するものとする。
3 理事長は、第1項及び前項の措置等に関し、一定の基準を設けることができる。
4 不正調査委員会が第24条第1項の手続きを行い、当該調査対象者に特定不正行為又は不正使用がないと認定された場合、理事長は次の各号に掲げる措置をとるものとする。
(1)調査対象者の研究活動の円滑な再開及び名誉回復のための必要な措置
(2)第17条第1項の告発等を行った者が法人関係者で、特定不正行為又は不正使用の合理的根拠がないことを知りながら同条同項の告発等を行った場合は、当該告発者に対する学校法人稲置学園就業規則等に基づく処分
(不服申立て) 
第29条 第28条各項により措置等を受けた者は、当該措置等の内容に対し不服がある場合、法人に対し不服申立てを行うことができる。
2 法人が、前項の不服申立てを受理した場合は、理事長は法人理事会(以下「理事会」という。)に対し当該措置等の内容の審査を求めることができる。
3 理事会が、理事長が行った措置等が適切でないと判断したときは、理事長に対しその旨通知し、その修正を求めることができる。
4 理事会が、理事長が行った措置等が適切であると判断したときは、理事長に対しその旨通知する。
5 第1項により不服申立てを行った者は、第3項又は第4項の決定内容に対する再度の不服申立てを行うことはできないものとする。
(調査結果の公表) 
第30条 統括責任者は、前条までの手続きにより特定不正行為又は不正使用の事実が明らかになった場合、速やかに次の各号に掲げる事項を公表する。
(1)特定不正行為又は不正使用に関与した者の職、氏名 
(2)特定不正行為又は不正使用の事実の概要 
(3)特定不正行為又は不正使用の事実が確認された根拠等 
(4)公表までに行われた調査の概要 
(5)調査組織及びその職、氏名
(6)その他最高責任者が必要と認めた事項
2 理事長は、前条までの手続きにより不正行為又は不正使用の事実が無かったと確認された場合、原則として公表しない。ただし、公知の事実となった特定不正行為又は不正使用の疑いについては、当該関係者の了解を得て根拠とした事実を含め調査結果を公表する。
(名誉回復) 
第31条 法人は、特定不正行為又は不正使用の事実が無いと認定された者に対し、その名誉を回復するため、当該関係者に対して周知するなど本人に不利益とならないよう必要な措置を講ずる。
 
第2章 コンプライアンス教育 
(コンプライアンス教育) 
第32条 研究倫理教育責任者は、法人全体での不正行為及び不正使用防止のため、構成員に対し、次の各号に掲げるコンプライアンス教育を行わなければならない。
(1)研究倫理に関する基本的な問題
(2)研究者の行動規範 
(3)特定不正行為及び不正使用の具体的内容
(4)日常的な研究活動 
(5)公的機関発行の視聴覚資料又は図書資料の閲覧
2 研究倫理教育責任者は、新たに法人の職員又は受託研究、共同研究により法人において研究を行うこととなった研究者に対し、前項のコンプライアンス教育を行わなければならない。
(受講状況の確認) 
第33条 研究倫理教育責任者は、前条の受講対象者のコンプライアンス教育受講状況を、常に把握しておかなければならない。
(モニタリング) 
第34条 統括責任者は、法人各部局の構成員等が研究倫理教育責任者が行ったコンプライアンス教育を受講し十分な理解の上で研究活動を行っているか等をモニタリングし、必要に応じ再受講を促すなど改善を指導しなければならない。
 
第3章 雑 則 
(公的研究費の執行管理) 
第35条 公的研究費の執行に関しては、この規程に定めるもののほか、学校法人稲置学園研究活動補助費規程及び研究活動補助費取扱要領を準用するものとする。
2 公的研究費購入した物品等は、法人に帰属する。
(取引業者) 
第36条 法人と取引する業者が不正使用に関与した場合は、文部科学省所管における物品購入等契約に係る取引停止等の取扱要領に基づいて措置を行うものとする。
(事務担当) 
第37条 公的研究費に係る事務は、事務責任者のもと総合研究所が担当し、学校法人稲置学園事務組織及び事務分掌規程に定める事務のほか、次の各号に掲げる業務を行う。
(1)交付内定を受けた公的研究費の交付申請等に関する業務
(2)公的研究費の予算執行に関する管理運営業務 
(3)公的研究費に関する法人以外の機関からの窓口業務
(4)コンプライアンス教育に関する業務
(5)研究者に対する公的研究費の使用に関する助言及び規程等の周知
(6)特定不正行為及び不正使用防止のための措置に関する業務
(7)不正防止委員会に関する業務 
(8)第6条の規定による告発等受付窓口業務 
(9)その他この規程の運用に係る業務
(誓約書) 
第38条 研究者等は、公的研究費のうち文部科学省その他の省庁又は独立法人等から配分される競争的資金等による研究活動に関与しようとする場合、法人に対し、次の各号に掲げる事項の順守を誓約する誓約書を提出しなければならない。
(1)法人の規程等を遵守すること
(2)特定不正行為及び不正使用を行わないこと
(3)前号に反したときは、法人又は競争的資金の配分機関の処分及び法的責任を負うこと
(雑 則) 
第39条 この規程に定めるもののほか、この規程の運用に関し必要な事項は、不正防止委員会の議を経て理事長が定める。
(規程の改廃) 
第40条 この規程の改廃は、理事会の議を経なければならない。
 
付 則 
1 この規程は、平成27年7月24日に制定し、平成27年4月1日に遡及して施行する。
2 学校法人稲置学園公的研究費取扱規程(平成22年7月23日制定・施行)は廃止する。
付 則 
この規程は、平成28年4月22日に事務組織変更に伴い一部改正し、平成28年4月1日に遡り施行する。 
付 則 
この規程は、平成29年2月24日に特定不正行為・不正使用の告発、研究データ等の保存・開示及び調査の実施等を改正、追加し、平成29年2月24日から施行する。 
付 則 
この規程は、平成31年4月26日に事務組織変更に伴い一部改正し、平成31年4月1日に遡り施行する。 
付 則
この規程は、令和4年3月31日に事務組織変更に伴い一部改正し、令和4年4月1日から施行する。